プリン体と呼ばれるものを多く含む食事を摂取しすぎる事で高尿酸血症となります。
高尿酸血症になると身体各所に関節炎を引き起こします。
病名の由来にもある様に、この関節炎は風が強くなったり穏やかになったりする様に痛みが酷くなったり和らいだりを繰り返します。
摂取した食物や体内に含まれている核酸、ATPに含まれるプリン体が消費、分解されて最終的に尿酸となり尿として大河に排泄されますが、尿酸は水に溶けにくいため完全に排泄することができません。
その為、尿酸の生産と排泄とのバランスがくずれた結果、血液中の尿酸が高くなり、そのような状態を高尿酸血症と呼びます。
この状態が慢性化し、尿酸濃度がある一定基準を越えると、尿酸はナトリウムと結合して尿酸結晶に変化します。
この尿酸結晶が関節等に蓄積することで、身体各所に関節炎を引き起こします。
これを痛風(痛風発作)と呼びます。
関節炎と言っても具体的な症状はどのようなものでしょうか?
主に4大徴候と言って、患部の激痛、発赤、発熱、腫れが挙げられます。
はじめに、関節部の違和感から始まり、時間とともに徐々に痛みが増してきます。
更に、1日~2日ほど経過する、患部を動かすことが困難なほどの激痛となります。
この激痛のピークは大よそ2日~3日ほどで、その後徐々に痛みが和らいでいき、2週間ほどで治まります。
ここで注意して頂きたいのが、痛みが無くなったからと放置してしまうと、半年から1年ほどで再発し、その発作の間隔は次第に短くなっていきます。
さらに進行すると、腎臓などの内臓にまで悪影響を及ぼします。
大切なのは予防という考え方で、高尿酸血症を抑制することが肝心です。
そのためには食事、飲酒などの制限をはじめ、生活習慣の見直すことが必要です。
高尿酸を避けるために、溶けにくい尿酸の排泄効率を上げるため、1日約2リットル以上の水分を摂ることをお奨めします。
また、お薬での治療として尿酸の合成を抑制する薬と尿酸の排出を促進する薬を患者さまの状態やそもそもの高尿酸血症を発症した原因、程度、及び合併症などを総合的に判断し適切に処方します。
但し、痛風発作が起きている場合に、尿酸を低下させるとかえって痛みが強くなることがあるため、痛風発作時には痛みを緩和する治療が優先されます。
痛風発作時のご自身の対処法として、患部を極力冷やすこと、動かさずに安静にすること、食事、特に飲酒などを制限する事です。
痛風発作の予兆期や初期の段階では、コルヒチンというお薬が効果的です。しかし、痛風発作が本格的になるとコルヒチンでは効き目が薄くなります。その際は非ステロイド系抗炎症薬や副腎皮質ステロイド薬を検討します。